No.1580 おちゃめな霊


夏といえば「怪談」。

この世では不可解な現象がいっぱい起こるらしい。
霊感がゼロの僕は、生まれてこのかた
一度もそういった現象を目の当たりにしたことがなかった。
この間の日曜日ぐらいまでは。


最近、夜になると決まって
変な出来事が起こる。
最初に起きたのは、月曜日の夜だった。

AM3:00。
息子が少しぐずって騒いだので飛び起きた僕は、
無事寝かしつけた後にあることに気づいた。
いつもは真っ暗なはずの部屋の電気が
なぜか豆球だけついていたのだ。

最初はこう思った。
「嫁が寝る前に消し忘れたんだろう」と。

でも、嫁に何度聞いても「ちゃんと消したで」という。
嫁が寝室に入ってきた時に僕も少し目を覚ましたけど、
たしかに電気はすでに消されていた記憶がある。

それなら、なぜ二人が眠っている間に
豆球がついているのか。

嫁が夢遊病のように行動したとは思えないし、
息子が自分でつけられるわけでもない。

ましてや、真っ暗から豆球にするには
「明るい→少し明るい→豆球」という
3ステップを踏まなければいけないはずだ。
いくらぐっすり眠っていても、
それだけの操作をされたらすぐ起きる。


「…、泥棒か?」


窓の鍵はしまっていた。
いつもどおりの完全なる密室である。
たとえ泥棒だったとしても、
電気だけ豆球にして去る奴なんていないだろう。

そうやってすべての選択肢を消した後、
残ったのはただひとつだった。


「霊だ、霊に違いない」


昨日の晩まで、同じ現象が続いている。
理由はわからない。なんだか怖い。

でも、電気だけつけていくちょっとイタズラな霊に
少しだけ会ってみたい気もする。