No.1634 誰もがみんなクリエーター


ブラジルに「サルヴァドル」という街がある。
16世紀から始まったスペインの植民統治時代に
首都として栄えた街だ。

正確に言うと、
街は高い崖によって2つに分かれている。
その名も、
「cidade alta(=上の街)」と「cidade baixa(=下の街)」。

上の街に住む人々は、きっと
自分たちは何かより上だと思って生きていたのだろう。
もっと上は、世界にいくらでもあるのに。


人間というのは、相対的に物を見る癖があるらしい。
比較対象があって初めて理解することも少なくない。

ただ、比較対象って時代によって増えもするから、
物事の価値やジャンルは常に変わるべきでしょ。


今の僕の仕事、世間的にいうと
「クリエイティブ職」とか「クリエーター」とか言うらしい。
もう随分前から変わっていない。

働き出した頃はそんな響きが心地良かった時期もあったけど、
最近、それが蔑称にさえ感じる時がある。

だって、大なり小なりあれど、
どんな仕事をしている人でも
なにかを考えてクリエイトしているからね。

きっと、昔に誰かが世の中の仕事を相対的に照らし合わせて、
広告の仕事がなんとなく遊びに近い雰囲気があったから
クリエイティブとか呼ばれ始めたんだろうけどね。
芸術屋さん的に呼ばれるのは
仕事として認められていないようで好きじゃない。


時代も変わったし、一度ここらで
職業ジャンルについてもリセットしてほしいな。

創造的なことは、人間なら誰しもやっていること。
生きてる限り、働いている限り、みんなクリエーターでしょ。

相変わらずクリエイティブという響きにひかれて
マスコミ関係を目指している学生がいたら、
笑顔で肩を叩きながらこう言ってやりたい。

「広告を作るなんてちっぽけなことを言うな。
 仕事を創り、君の人生を創るのだ」と。