No.1721 ママがダウンした時、息子は…





 「○うた!
  ママは“ねんね”やから、こっちおいで!」



そういうと、息子は後ろ髪をひかれた感じで
ドアを閉めて台所に戻ってきた。今日の朝のことだ。



昨夜から嫁が39℃を超える高熱でダウンしてしまい、
今日は会社を休んで嫁の看病と息子の世話。


飯を作って食わせている時はご機嫌なんだけど、
僕が食器を洗い始めたり
洗濯物を干し始めたりすると
息子は思い出したように



   「ママぁ〜?マぁマ〜ぁ!」



と半狂乱で嫁を探し始める。

がんばっているパパとしては、
少し寂しい。


何度も寝室に行って嫁を起こそうとするから、
父として息子を諭すことにした。



 「エエか〜○うた、
  ママは今日しんどいから寝かせてあげて。
  わかるよな? 男の子やもんな!」



真顔でそう注意すると、
空気を察したのか息子は寝室から姿を消した。


それから1時間後、
ブロックを積み上げてご機嫌で遊んでいるようだったので、
その隙にベランダへ。

布団を干して戻ってくると、
リビングに息子の姿は無かった。


「あれ?」と思った次の瞬間、
寝室から息子が足早に出てきてね。

慌ててドアを閉めて、
僕と目を合わせないようにして、
何食わぬ顔でブロックの前に座った。

たぶん「パパに叱られる」と思ったんだろうね。

そりゃママがいないと寂しいわな。
ママがずっと寝ていたら心配しちゃうわな。


息子が隠した悪さを、
僕はなるべく気づかないふりをした。

息子の顔には、極太の文字で
「ママが気になります」と書いてあった。