No.1758 ハンバーガー店員 vs フランス人

今日の昼、
と言ってもついさっきの話である。

ランチタイムを逃したので、
遅い昼食をとるために
近くにあるモスバーガーに入った。

店のレジには、新しく入ったと思われる
女の子スタッフが1人。
最初は普通に注文してたんだけど、
途中からある異変に気づいた。

たいしたことじゃないんだけど、
彼女の応対が、稀に見るぐらい「機械的」だったのだ。

 「こちらで、お召し上がり、ですか?」

 「以上で、よろしかった、ですか?」

まるでロボットのように単調な接客用語を並べる
彼女の様子に、テンポが合わないというか、
なんとも言えない違和感を感じた。

それから僕は、レジの前の席に座り、
テリヤキチキンバーガーをほおばりながら
しばらく彼女の接客を観察することに。

どうやら僕だけでなく、
すべての客に対してロボット接客を試みているようだった。

事件(?)が起きたのはその後だ。

しばらくすると、
店にフランス人の男女2人が入ってきたのだ。

いや、外人さんが来ること自体は何も珍しいことじゃない。
近くに大阪城があることもあり、
外国人が歩いているのは日常茶飯事だし。

街の界隈にはマクドやケンタッキーもあるけど、
おそらく外人さんからすれば
「ジャパニーズ オリジナルのモスバーガーを試してやろう」という
気持ちもあるのだろう。

日本人がアメリカに行った時、
「くら寿司 ニューヨーク店」よりも
「ビバリーヒルズ寿司」に行ってみたくなるのと同じことだ。

さて、話を元に戻そう。

とにかく、フランス人が2人やってきたんだけど、
ロボット店員の彼女がどんな風に接客をするのか、
これはかなり注目だった。

第一声。

 「いらっしゃい、ませ。
  こちらで、お召し上がり、ですか?」

相手に関係なく、あいかわらずの
ロボット接客を行う彼女。
これには少し、フランス人も戸惑っていた。
(なぜなら彼らは英語で注文しようとしていたから)

急に片言の日本語で注文し始めるフランス人。
それははっきり言って彼らにとって酷なことだった。

だって、フランス人が英語のメニューを見ながら、
日本語で注文しなきゃいけないんだもの。
それでも、店員の彼女は姿勢を崩さない。

 「モスバーガー、2つ、と、
  ポテト、2つで、よろしかった、ですか?」

ここまで来たら潔いというか何というか、
欧米に媚びない日本人を見たようでうれしくなった。

結局彼女はその後も最後まで自らのスタイルを崩さず、
食べ終わったトレイを持って店を出ようとするフランス人に対しても

 「そのままで、結構、ですよ」

と、わかるはずのない日本語をぶつけていた。

   「ア、アリガト…。ゴチソ、サマ」

 「恐れ、いります。」

ったく、
恐れ入ったのはこっちのほうだよ。

すごいね、アンタ。
ある意味で日本の接客の鏡だよ。

たぶん今頃、
フランス人はこんな話をしてるだろうなぁ。

   「ニホン ノ バーガー ウマイ
    ケド
    ニホン ノ スタッフ トテモ キビシイ」