No.1838 「先入観」を打ち破ろう

身長3mの男がいて、
世界記録としてギネスに認定されていたとしよう。

例えばそいつが
「俺より背の高い奴なんて見たことがない」と言えば、
たいていの人は信じるだろう。

ただし、それは嘘だけど。
彼にだって子どもの頃はあって、
昔は身長1mそこそこの時代もあったはずだからね。

世界記録を持っているという先入観が、
真実を見えにくくする。

言い換えれば、先入観を与えることで
真実をごまかすことができてしまうということだ。
中国製の食品に日本人が殺虫剤を混入しても、
ごまかせてしまうように。

去年、ある有名な漫画を描いている先生に会った時、
先生がこんな話をしていた。

 「青信号で、前を見ながら渡る奴は馬鹿だ」

信号はあくまで人間が決めたルールであり、
ルールは破られることもある。
「青だから安全」と思って横も見ずに渡るのは、
先入観だけで生きている証拠だと。

それを聞いた時、
自分の持っている先入観を疑えば
違う本質が見えてくる気がした。

今、外で雨が降っていて、
公園の木陰の下で雨宿りをしているサラリーマンがいる。

これも違うのかもしれない。
「雨が降る→雨宿りをする」というのは僕の先入観で、
実は単にサボっているだけなのかも。

彼は雨に対する先入観を利用して、
うまくやっている人なのかもしれない。

世界はまだまだ広い気がした。