No.1979 遅くまで働く男のせつなさよ
暗い夜道を いつものように
自転車をこいで 家に帰る
7月6日 妻と出会った記念日に
コンビニで買った安物のケーキを ぶらさげながら
疲れて玄関の扉を開けると そこには笹があって
ちいさな短冊に 願いごとが書いてあった
折り紙で作られた いくつもの飾り
息子の笑顔を浮かべつつ 妻に感謝しつつ
日中何もしてやれない自分に 悲しくなる
7月7日
今日も遅いよ きっとね
天の川を眺めながら お話ししてあげたいけど
家族のため 生活のため
父は何のために 働いているんだろう
いっそのこと すべてを捨ててみたい
テーブルの上の 余った短冊を眺めながら
天に願う