No.2574 不器用な親父からの贈り物


昨日、深夜に家に帰ったら、
謎の郵便物が届いていた。

差出人は、親父。
封筒を開けると、CD-ROMだけが入っていた。



  「なんやろ…?」



ちょっと不気味な感じがしつつも、
ひとまずブルーレイのプレーヤーで再生してみると、
写真のスライドショーが始まった。

それは、僕が幼い頃、
今から30年以上も前の家族写真集だった。


そう言えば、GWに実家に帰った時、
パソコンのスキャナーが新しくなっていたっけ。
たぶん、昔の写真をデジタル化するために
買い換えたんだろう。

でも、今になってなぜ
親父は写真をデジタル化したくなったんだろう?
そして、なぜそれを僕に送ってきたんだろう?


桜の前で、小学校に入学した姉とオカンと
一緒に写っている写真。

雪の日にかまくらを作った後、
崩れて泣いた瞬間の写真。

姉と僕が、
仲良く自転車に二人乗りしている写真。

そこに写っている僕は
今の息子と同じ歳の僕だった。



  「そういうこと、かな?
   いや、たまたまかな」



スライドショーはしばらく続いた。
封筒の中に、特に手紙はなかった。

不器用な親父の
本当の意図はわからないけれど、
「何かを伝えたかったんだ」という
気持ちだけはしっかりと伝わった。