No.108 女が「逆立ちをして」と言った理由


子供の頃 何かのドラマで、
男が女に謝っているシーンを見た。

「許してくれ」

「…イヤ」

「頼む」

「じゃあ逆立ちでもしてみてよ!」

子供心に「この女の人、人が逆立ちなんかしてるの見て
オモロイんかな?」と思ってた。
でも最近 ちょっと逆立ちをさせた女の気持ちが
分かったような気がする。

女は… 逆立ちなんかどうでもよかったんだ。

本当は 男の胸に飛び込んでいきたくてしょうがない。
ただ 男を信じられなくなるのが恐かった。
だから 信じさせて欲しかったんやね。

方法はどうであれ “形“を見たかった。
男が自分以外のすべてを捨てて
必死で自分のためだけに生み出した、形を。

シンガ−ソングライタ−/斉藤和義はこう言う。
「形あるものを僕は信じる」

言葉ではない。気持ちでもない。
本当の信頼を得られるものは
“形”以外に何もないのかもしれない。

形あるものはいつか壊れる?
そんな事はみんな分かってるんだ。
ただ それでもいいから目に見えるものしか
信じられない時が、人にはある。

心休まる音楽を聴いて眠るより、
枕の横にあるぬいぐるみに
抱きつきたくなる夜があるように。

最近、ちゃんと情緒不安定してますか?