No.121 システム(仕組み)に気をつけろ


例えば太郎と由実とコウジという3人がいたとしよう。

彼らの関係は以下のとおりにしておく。
●3人はいつも遊ぶ 大学の仲良しトリオ。
●太郎は神戸、由実は大阪、コウジは京都に住んでいる。
●コウジは由実を狙っている。
●太郎とコウジはどちらも車を持っている。

由実を狙っているコウジは、3人で遊びに行く計画をたてた。
一晩考えた彼の決めた行き先は、「姫路セントラルパーク」。

早速コウジはまず太郎に電話。
「おー、姫路か。エエで。」
太郎は一発OK。

ドキドキしながら、次は由実に電話。
「姫路いこうや。」

ここで由実が「いいよ」と答えてしまえば
“仕組み(システム)”が出来上がる。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

今日は何の話をしたいかというと、
“仕組み(システム)”の話。
バランスで生きている人間は、いつも不安定。

そこで人間は 少しでも安定したものを手に入れるために
あるものを生み出した。
それが仕組み(システム)。

上の話は 日常にあるその小さな一例。
解説しよう。

コウジは仕組みを生み出した。
由実と二人っきりになる仕組みを。

行き先を姫路セントラルパークにする事で、
まず大きく4つぐらいの事が決まる。

1 セントラルパークの地理的条件から
電車でいくのではなく 車でいく事が決まる。

2 一番遠いコウジが その車を出す事になる。

3 2に準じて、拾う・送るの順が決定する。
(姫路が行く先なら 当然コウジが由実、
太郎の順に拾っていく事になるから)

4 帰りは遅くなる。
(いくら京都を朝に出ても、姫路までの交通時間、
広い姫路セントラルパークを満喫するのにかかる
時間を考えたら 夕方以降になるのは確実)

コウジが由実と二人っきりになるには車は不可欠。
これは1で解決。

でも自分が運転できる車でないと太郎を排除するのは不可能。
これは2で解決。

3で拾う・送るの順が自動的に決まる事で、
行きと帰りで2度二人っきりになるチャンスができる。
できればコウジとしては 雰囲気を出すため夜の二人っきりがいい。
これは4で解決。

さらに 太郎が一番近くになる場所を設定する事で
太郎が「遠いからイヤだ」という危険性はなくなるので、
計画を実行にうつせる可能性が高い。
太郎の中には「コウジ、悪いな」という
気持ちさえ生まれるかもしれない。
友情関係にマイナスにはならない。

あとは由実。
由実が「いいよ」と言えば、この仕組みが完成する。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

人間は 大小あれど数々の仕組み(システム)を生み出してきた。
日々それは完璧に近づこうとしている。
コウジの仕組みも決して完璧ではないが、
まだ若い学生の頭で その巧妙さに気付く人がいる可能性は低い。

この世には仕組み(システム)が沢山存在している。
だからって疑心暗鬼になる必要はない。
ただ、そういうものを持って待ち構えている人も
この世に沢山いる事は、知っておいた方がいい。

なに?
この世で最初に人間が考えだした仕組み?
“待ちぶせ”じゃないの。