No.2777 豪雨の中のプロ意識


今月初めから、
うちの家の前で工事が行われている。

ものすごい豪雨が襲った場合に
今のままでは浸水の危険性があるので、
水道管を太くする工事らしい。


ここ数日、西日本では
ものすごい雨が続いていて、
大阪でも滝のような雨が降っていた。

昨日の深夜もそうで、
ベランダからザーザー降りの雨を眺めていたら、
1台の車が家の前に止まって。

車の中から傘もささず、
1人のゴツい男が出てきた。



 「…あの人、こんな夜中に何してるんだろ…?」



不審な香りを漂わせながら、
ゆっくりと工事現場に近づく男。

ドキドキしながらその様子を覗いていると、
男は、強い雨で少し位置がずれた
工事用のビニールシートなどを丁寧に直し始めた。


そう、その男はどうやら、
工事会社の人のようだった。

あまりの雨に現場が心配になって、
深夜にも関わらず様子を見に来たのだろう。

深夜ということもあり、
きっと、誰も見ていなかったと思うけど、
人知れずズブ濡れになりながら
工事現場を守るその様子を見た瞬間、
男の「プロ意識」を感じた。

プロとは、苦労や苦痛を
周りに見せない人のことを言う。

つべこべ言わず、黙って勝負。
言い訳の多い大人になってはいけない。

降りしきる雨の中、
濡れながら背中で語る男にそう教えられた。