No.2778 男には、飲まなければいけない時がある

最近、うちの息子がやたらと
「ファンタ グレープ」にハマっている、

きっかけは2カ月前。
まだ前の家にいる時に、
ご近所さんたちと「さよならバーべーキュー」を
楽しんでいた時のことだった。

1学年上の男の子から
「ファンタ飲もうや!」と誘われた息子は、
それまで炭酸飲料なんて飲めなかったのに
「う、うん」と返事をした。

大人の世界で言えば、
上司に「まぁ、一杯飲め!」と言われて、
断りきれなかった若手サラリーマンのように。

僕はその時、肉を焼きながら
「どんな反応をするかな?」と
興味津々で息子の様子を見ていたんだけど、
飲んだ瞬間、息子は予想どおり
明らかに「うわっ…なんじゃこりゃ…」という顔をした。

それでも、
男の子には男の子なりの
“付き合い”がある。

すぐに空気を察知した息子は、
その場の雰囲気を壊さないように
(自分がガキだと思われないように)
周りの子に対してこう言った。

  「やっ…、やっぱり
   ファンタうまいな!」

きっと、人知れず
「飲む練習」をしたかったのだろう。
それからというもの、
息子はことあるごとに
「ファンタ買って!」というようになった。

そして本当においしく感じてきたようで、
最近は「スプライト買って!」
と言うまでに成長(?)している。

よく思うけど、
男社会ってある意味では
「ハッタリの社会」だと思う。
「できない」と言った時点で負けというか、
嫌でもやらなければいけない時があるというか。

そういう意味で、ハッタリをかまして
ファンタを飲めるようになった息子を
褒めてやりたい。

息子にビールを飲ませたことはないけど、
いつか飲ますことになるだろう。
その時、彼はどんな反応をするのかな?

めっちゃ苦そうな顔をしながらも
父親の前で

  「うっ…、うまいやん」

と強がることができたら、
男として褒めてやろうと思う。