No.3059 「ごめんなさい」と「ありがとう」

電車に乗っていたら、
ピンヒールで思いっきり足を踏まれた。

すぐに謝られて
「だ…大丈夫ですよ…」と言ったものの、
痛みはまだ消えていない。

なんでもすぐに謝る人って
謙虚でいい人に見えるけど、
ズルい気もするんだよ。

何を言っても「ごめんなさい」。
質問をしても「すみません」。
そう言われたら、
相手はそれ以上何も言えなくなるからね。

それどころか、
謝った側は「なんとなく良い人」に見え、
相手側は「謝らせた悪い奴」になってしまう。
うーん、なんだか不公平。

文句を返す人よりも
すぐ謝る人の方が偉いけど、
すぐ謝る人よりも
相手の言葉や気持ちを
ちゃんと受けとめられる人の方が偉い。

たぶん、
「ごめん」と「ありがとう」の順序を
逆にした方がいい、ってことなんだろうね。

先に謝って、ガードを固めて、
相手の態度が軟化したから
「ありがとう」じゃなく、
先に相手の気持ちを「ありがとう」と受けとめて、
ちゃんと思いを交わしてから
自分がしたことに「ごめんね」。

「ごめんなさい」は自分を守る防具で、
「ありがとう」は相手に渡す花束。

どうせなら、先に花束を渡しなさい。
同じように見えて、同じじゃないんだよ。