「誰かに借りたものを忘れちゃいけない」と
自分を戒めることはあっても、
「誰かに貸したものを忘れちゃいけない」とは思わない。
なぜなら、
自分の貸したものは絶対に忘れないし、
戒める必要がないから。
逆に、誰かに借りたものは忘れやすい。
AさんがBさんに「してあげたこと」は、すなわち
BさんがAさんに「してもらったこと」になるから、
本来、その数は同じはずになるはずだ。
それでも、人間は「してあげたこと」を覚え、
「してもらったこと」はすぐ忘れるらしい。
心理学の実験結果では、
その差はなんと35倍。
「してあげたこと」が35に対し、
「してもらったこと」は1しか覚えていないそうだ。
だからケンカになるんだよね。
みんな、自分の「してあげたこと」ばかり主張するけど、
相手は「してもらったこと」を覚えていないから。
誰だって人生の主人公は自分だから、
自分中心になるのは仕方ない。
ただ、35倍の差を
せめて10倍ぐらいにできないかな?
「してもらったこと」を覚えておくには、
「感謝の気持ちを忘れない」じゃ弱い。
その気持ちさえ忘れるからね。
簡単な方法が一つある。
忘れる前に、その場ですぐ
「してもらったこと」に対して
「ありがとう」を言うことだ。
人間は自己中心的だから、
自分の言った「ありがとう」は忘れない。
それを覚えていたら、
感謝した理由はいつまでも忘れないはずだよ。
いつもおはなしを読んでくれて、ありがとう。