No.3844 バースデー・パラドックス

「バースデー・パラドックス」という言葉、知ってる?

横文字で言うと分かりにくいけど、
「同じクラスの中に同じ誕生日の人がいる確率」
と言えば、聞いたことがあるかもしれない。

実際、何人ぐらいの集団であれば
同じ誕生日の二人がいるものなのか?

直感的には
「えーっと、1年は365日あるから、
 その半分の180人ぐらいいれば
 誰かと誰かが同じ誕生日になるんじゃない?」
と思ってしまうけれど、そうではないらしい。

実際は、その集団に23人いれば約50%、
41人いれば約90%、70人いればほぼ100%の確率で
同じ誕生日の組み合わせが見つかると言う。

不思議だね~。
だからパラドックスと呼ばれているんだけど。
  
 
これは立派な数学だそうで、
「余事象」という考え方を使うらしい。

簡単に言うと、
何かが実現する確率を計算したい時、
先に「実現しない確率」(余事象)について計算して
それを100%(1)から引くという方法。

例えば、サイコロを振って
1以外の数が出る確率を知りたかったら、
余事象(1が出てしまう確率)を求めて
1から引けばいいんだね。

同じように、
「同じ誕生日になる確率」を知りたい場合は、
「同じ誕生日にならない確率」を先に求める。

1人目の誕生日は365/365の確率だとして、
2人目は1人目と違う日だから364/365、
3人目は前の2人と違う日だから363/365…。

これを23人目まで掛け続けると0.492になるので、
「1-0.492(同じにならない確率)=0.508(同じになる確率)」
という答えが出てくるらしい。
 
  
文系の僕にはあまり縁が無かったけど、
この考え方自体は好きだな。

何かについて知りたい時、
先に「その何か以外」を知ってしまうやり方。
推理やマジックの種を見破るのにも使えそうだ。

よく「発想を逆転させる」と言うけれど、
正しくは「事象と余事象の見る順番を変えてみる」
ってことなんだろう。

そして、何よりも大切なのは、
事象と余事象は隣り合わせの関係にあるということ。
どちらかがぶっ飛ぶ必要はないということ。

誰かが元気のない理由を知りたかったら、
いつまでも落ち込んだ顔を観察していないで
元気な日の様子を思い出せばいい。

新しい発見をしたい時は
逆を見るんじゃなく、
目の前の日常をじっと2つの感性で捉える。

そのために瞳が2つある。
そういうことなんだと思う。