No.3880 髪型ヒストリー

「髪型」というものを意識し始めたのは
いつの頃からだったか。

記憶をたどる限り、
小学生の頃にヘアスタイルの意識は無かった。
中学も丸坊主だったので、特になし。

となると、やはり高校に入ってからか。
いや、正確には中学を卒業した後、
高校に入学するまでの間だろう。

中学を卒業した後も
僕らには特にやることがなかったので、
クラスで仲の良かった男女数名で
ダラダラと誰かの家に集まり、
夜になるまで話したり、誰かを呼び出したり、
遊んだりしていた。

別に僕らは不良ではなかったけれど、
親の世代から見たら
一種の不純異性交友に見えたかもしれない。
お互い高校で離れ離れになる現実から逃避するかのように
毎日毎日、僕らは一緒に遊んでいた。

そんなある日、
野球部でも一緒だった森崎という奴が
「髪型」を変えてきた。

丸坊主だった頭の横を刈り上げ、
頭頂部の毛がちょっと長く見えるような感じで。

今思えばダサい角刈りだったかもしれないが、
僕らは3年間ずっと丸坊主だったから、
その角刈りがめちゃくちゃカッコよく、
なんだか「大人」に見えた。

女子たちの反応も良かったので、
翌日、すぐに残りの僕らも揃って
角刈りっぽく髪を切りに行った。
そう、あの時初めて「髪型」を意識した気がする。
 
 
とはいえそれは、田舎町の中卒レベルの話。
高校に入ると、さすがに色々と
おしゃれな髪型の奴らが集まっていて、
なぜか当時は「センター分け」が流行っていた。

髪型なんてよくわからない。
ただ、直感的に僕は
長い髪をムースでかためて流すような
センター分けが性に合わなかった。

「男らしくない」と感じたのかな?
丸坊主時代のDNAが残っていたのかもしれない。

同じトレンディ俳優でも
吉田栄作よりも柳葉敏郎の方が
断然カッコ良く見えていた僕は、
以後、短髪の髪型しかしなかった。
大学生3回生ぐらいまで。

大学卒業が近づいてきた時、初めて思ったんだよね。
「一生に一度ぐらい伸ばしてみようかな」って。
キムタクのロン毛が少しだけ
カッコ良く見えていたこともあったかもしれない。

大学の卒業式あたりには、
もう少しで後ろ髪を束ねられるぐらいまで
髪を伸ばした。そのまま卒業旅行でアメリカにも行った。
ゆえにパスポートの写真は、
過去最長に髪が長い頃の自分である。
 
  
「長い髪型もわりといいじゃん」と
少し味をしめてしまった僕は、
社会人になって以降、
基本短髪、たまに長髪の間を行き来した。

高校や大学時代は、
同じ短髪でも丁寧にスタイリングしていたけど、
社会人になってからは忙しくなったから、
正直、髪型なんてどうでも良くなっていた。

伸びれば切るし、邪魔じゃなければ切らない、という感じ。
我ながら、このあたりは面倒くさがりのO型らしい。
 
 
今、「髪型は?」と聞かれたら、「へ?」と答える。
それぐらい、髪型という意識がない。
丸坊主だった中学の頃の感覚と同じだ。

短い時はワックスで立てて、
長い時はワックスで流す、だけ。
そろそろ変えてもいいけど、別に髪型を変えても
女性ファンが増えるわけじゃないしね。

ただ、人間、
「見られることを意識しなくなったら老ける」と聞く。
もう少し、努めて異性を意識するか。

手始めに、我が娘に
父の髪型の感想を聞いてみたら、
「べつに」とエリカ様並みの回答が返ってきた…。

So Cool !!
お嬢様、もう一度頭を丸めて出直しますわ。