No.3908 スマホの中の遺言

引っ越しをした経験がある人は分かると思うけど、
旧から新へ移動するには荷作りが必要で、
その途中にはたいてい「懐かしい品」と出会う。

押入れから懐かしいおもちゃが出てきたり、
机の中から忘れていた手紙が出てきたりね。

それは携帯電話でも同じで、今回、
機種変更にあたってストレージを整理していた時、
忘れていたような画像や動画がたくさん出できた。

中には、なんと20年ほど前のものも。

たぶん、ケータイの機種変更をする前に
SDカードとかにバックアップを取り、
その後も何度も機種変更をしているうちに、
バックアップデータの存在すら忘れていたんだろうな。

スマホ以前のケータイ時代に
どんなデータを保存していたかなんて覚えていないから、
自分にとってはちょっとした「タイムカプセル」。
ちょっとドキドキしながらフォルダを開いていった。
 
今見ると、
昔のケータイ画像って画素数がかなり粗い。

でも、
「あ~、こんな瞬間あったなぁ~」という写真もあって、
引っ越しの荷作りの手を止めるかのように
しばらく順番にデータを眺めていた。
 
 
引っ越しの荷物もそうだけど、
たぶん、今残っている荷物やデータって、
当時、何かの理由で残したかったデータなんだろうな。

「あの頃の僕は、なぜこれを残したかったんだろう?」
そう思い返すたび、感覚が昔に戻っていく気がした。
 
今、僕やみんなのスマホの中にあるデータも
きっと、そのうちのいくつかは
未来の時代まで保管されていくんだと思う。

それは、
自分が生きていればタイムカプセルになるし、
死んでいれば後世へのメッセージになるんだね。

もしも書くのが苦手なら
「写真で伝える遺言」ってのも
感性高めでいいかもよ。

久しぶりに、いい写真を撮りたくなった。