人と人が会うには、色んな形がある。
まず、二者のうち片方は動かず、
片方が動いて会いに行くパターン。
一般的にはこれを「訪問」と呼ぶ。
「お見舞い」なんかもこれに該当するのかな?
いわば、片思いの形だ。
会いたい方が会いに行くけど、
場所や時間などの主導権はもう一方の手にある。
もう一つは、
二者がどこかで待ち合わせるパターン。
これが一番スタンダードな形かも。
「会う」という行為は基本的に対等なもので、
どちらかがどちらかに気を遣わせちゃいけない。
そういう意味で、この形はとてもバランスがいい。
ただ一つ、難しいのは、
対等だからこそ相手に変な気を遣わせないために
「自分が背負っている荷物を置いてくること」だ。
誰だって、みんなそれぞれに
苦労や忙しさ、しがらみがある。
でも、それらは今から会おうとしている人には
まったく関係のないことだから、
会う前にどこかに置いてこなきゃいけない。
大きなリュックを背負っていたり、
やたらと腕時計を気にしていたりしたら、
相手が気にするからね。
時計もリュックも薬も武器も、
すべてどこかに置いて来なきゃいけないんだな。
自分の背後へ気を遣わせない、
フェアな会合にするために。
「会うためのマナー」とでも言おうか。
分かっていても、これがなかなか難しい。
大人になると、意外と色んなものを身につけているから。
たくさん脱いでも、置いても、外しても、
なかなか素の自分に戻れなかったりするんだよね。
会うマナーができている人とできていない人、
僕自身、どちらの人に会いたいかと言えば、
やっぱりできている人と会いたいかもしれない。
相手が腕時計10個もつけてきたり、
栄養ドリンク剤を100本持っていたりしたら、
やっぱり気を遣ってしまって楽しくないもんね。
僕たちはみんな忙しい大人だから
簡単ではないけれど、
大人だからこそスマートに振る舞いたいな。
ごくたまに、懐かしい人に会う時ぐらいは。