No.3965 人に会う時は、カバンを置いて。


人と人が会うには、色んな形がある。

まず、二者のうち片方は動かず、
片方が動いて会いに行くパターン。
一般的にはこれを「訪問」と呼ぶ。

「お見舞い」なんかもこれに該当するのかな?
いわば、片思いの形だ。
会いたい方が会いに行くけど、
場所や時間などの主導権はもう一方の手にある。

もう一つは、
二者がどこかで待ち合わせるパターン。
これが一番スタンダードな形かも。

「会う」という行為は基本的に対等なもので、
どちらかがどちらかに気を遣わせちゃいけない。
そういう意味で、この形はとてもバランスがいい。

ただ一つ、難しいのは、
対等だからこそ相手に変な気を遣わせないために
「自分が背負っている荷物を置いてくること」だ。

誰だって、みんなそれぞれに
苦労や忙しさ、しがらみがある。

でも、それらは今から会おうとしている人には
まったく関係のないことだから、
会う前にどこかに置いてこなきゃいけない。

大きなリュックを背負っていたり、
やたらと腕時計を気にしていたりしたら、
相手が気にするからね。
時計もリュックも薬も武器も、
すべてどこかに置いて来なきゃいけないんだな。

自分の背後へ気を遣わせない、
フェアな会合にするために。
「会うためのマナー」とでも言おうか。

分かっていても、これがなかなか難しい。
大人になると、意外と色んなものを身につけているから。
たくさん脱いでも、置いても、外しても、
なかなか素の自分に戻れなかったりするんだよね。

会うマナーができている人とできていない人、
僕自身、どちらの人に会いたいかと言えば、
やっぱりできている人と会いたいかもしれない。

相手が腕時計10個もつけてきたり、
栄養ドリンク剤を100本持っていたりしたら、
やっぱり気を遣ってしまって楽しくないもんね。

僕たちはみんな忙しい大人だから
簡単ではないけれど、
大人だからこそスマートに振る舞いたいな。

ごくたまに、懐かしい人に会う時ぐらいは。