No.4209 いってこい

「いってこい」という言葉がある。

利益を得るために投資し過ぎて、
結局、差引勘定がゼロになってしまうあの感覚。

本末転倒と言おうか、なんと言おうか、
一生懸命前に進もうとしているのに
車輪はずっと空回りしているような
生きることのユニークさを感じる。

同じ感覚で「面白いなぁ」と感じるのは、砂糖。
たまに「甘さ控えめ」とか書いてる商品があるけど、
甘さが嫌ならそもそも砂糖いらんやん。
入れるから甘くなるんやん。

ビールのように、
「プリン体ゼロ」とかはまだわかる。
ビールは飲みたいけどプリン体は除外するというあたり、
10から3を引くけど7は残っている感じがする。

「いってこい」の感覚を感じるものは、
そもそも10から10を引いちゃうんだよね。
例えるなら「カロリーメイト(カロリー100%オフ)」みたいに、
「何してんの?」と思わず苦笑してしまうものもある。

モノではなく行動で言えば、
「3歩進んで2歩下がる」ではなく、
「3歩進んで3歩下がる」パターン。
時給100円で100円のジュースを
自費で買うバイト、みたいなことだね。

なぜそれが面白く感じるのかというと、
利益に目が行き過ぎて
「いってこい」に気づかない状況に、
人間の滑稽さのようなものが見え隠れするから。

10から10引いてしまい、「あちゃー」と頭を抱える。
そんな方が、むしろ人間臭くていいよね。

貯金や前進、成長もいいけど、
たまにはあえて「いってこい」を選ぶのも
いいんじゃないのかな。
そこで起きる笑いこそが、
生活を潤す大切なエッセンスである気がするよ。

10円玉10枚で100円玉を買うようなこと、
どんどんやっていこうと思う。