No.722 遺書

ごくたまに、
「みんなが“遺書”に書く言葉って、
 いったいどんな言葉なんだろう?」って想像する。

一生の集大成として
言葉を綴る人もいるかもしれないけれど、
僕はたぶん、
たわいもない日常の言葉を書いてしまうだろう。
「今日はいい天気だ」とか「おなかが空いた」とか。

「これだけの期間、生きていました」を記すのが“遺書”ではなく、
「この瞬間、生きていました」を記すのが“遺書”だと思うから。

なぜなら、
生きていることとは昨日や先週の話ではなく、
今、この瞬間だもんね。

毎日お送りしている今日のおはなし。
このおはなしは、僕にとって“遺書”である。

朝起きて、誰かに「おはよう」と言われるたび、
今日も生きている自分を実感する。
そして僕は、毎日毎日、“遺書”の続きを書く。

それを見た人から、
何も返事がなかったらどこか寂しい。

逆に、声をかけてくれる人がいたら、
死の寸前に枕元で手を握ってもらっているように嬉しい。

“遺書”の記録は、
やがて誰かの記憶へとかわるのかな。

そんなことを思いながら、
今日も722枚目の“遺書”を書く。

  明日の平和は分からないけど、
  今日のおはなしは今日も届く。

激流のように流れゆく時代のなかで、
いつまでも変わらず心に届くもの。

5年目を迎えた今、みなさんに
sunny-yellowをそんな風に思ってもらえたらと思う。

最期の日が「おやすむ」で終わったら笑ってね。