No.1417 大分県名物(?)ホーバーフェリー


水陸両用の乗り物、
そんな言葉はアニメの世界の話だと思っていた。

ところがどっこい、ある地域ではそんな乗り物が
立派な交通手段になっているという。
この間、月曜日に訪れた大分県だ。

出張前日の夜、
経路検索で大分市内までのアクセスを調べていたら、



    海路7号


という見慣れない言葉が出てきたので、
「んなバカな」と、
てっきりシステムの故障だと思っていた。

でも、大分空港に着いてビックリ。
ホントにあったのだ。

空港と市内を結ぶ
「大分ホーバーフェリー」という乗り物が。



目の前にでーんと構えて待っている「ホーバーフェリー」。
よく見れば、フェリーと言いつつも、
普通に陸の上で待っているではないか。

周りにいたおじさんに聞くと、



  「ここから少し離れた場所で海に入っていくんだよ。
   ホーバーは気流で浮きながら進むんだ。速ぇーぞ」



と答えてくれた。

少しうさんくさい気もしたが、よく見ると、
空港から乗り場に行く人も何人かいた。

左にはホーバー、右には高速バス。

予想もしていなかった選択肢に迫られ、
僕は結局バスを選択した。
だってホーバーの速さもわからなかったし。



高速バスは、速くて快適だった。



 「やっぱ、こっちで正解だったな」



そう思いながら、窓の外に流れる海の光景を眺め、
しばしのドライブを楽しむ僕。

ところがその時、僕の視線の先に
猛烈なスピードで海上を駆け抜けていく謎の物体が目に入った。
ほっ…、ホーバーだ!

あっという間にバスを抜き、
海の向こうへと消えていくホーバー。



 「すっ、スゲエじゃねえか、ホーバーって…」



あまりに一瞬の出来事だったので
呆然としてしまった。

取材が終わり、市内から帰路につく時、
僕がホーバー乗り場に向かったのは言うまでもない。

そりゃあ、アレを見せられたら、
誰でも乗りたくなるだろう。

乗り場の窓口に行くと、料金が書いてあった。



    空港まで2950円



…、高い。
いや、でも、あのホーバーに乗れるなら、
もしかしたら安いのかもしれない。

そう思って、
僕はすぐさま切符を購入し船内に乗り込んだ。

ちょうど座席に着いた頃だったろうか、
大分出身のミスター尻ASSさんから
メールで情報が入ったのは。


>沖で30回転ほど高速ターンしてもらうだけやろ?


高速ターン!? 何だそれ?
まっすぐ進むだけじゃないのか…?

その時、僕の脳裏にある言葉がよぎった。
取材の前に、市内で会った人から聞いた言葉だ。



   「帰りは空港までホーバー?
    風の強い日はどこに着くかわからんから、
    気をつけた方がいいよ」



単なる大分流のジョークだと思って聞き流していたが、
もしかしてこのホーバー、
危険な乗り物なんじゃないか…。

でも、切符も買ってしまったし、どうしよう…。

そう迷っていたら、
いつの間にかホーバーは進み始めていた。

高くなる波しぶきとともに、次第に遠くなっていく陸地。
嗚呼、僕はどこへ連れ去られるのか…。

そんな心配をよそに、気がつけばいつのまにか
ホーバーはちゃんと空港近くの乗り場着いていた。

空港で会ったおじさんが言ってたとおり、
ホーバーはやっぱり速かったのである。
バスで1時間かかったのに、25分で着いたし。

これから大分県を訪れる予定のある人、
ぜひこの「ホーバー」をお試しあれ。


※ちなみに、帰りの空港では
 たまたま実家に帰省する予定があったミスター尻ASSさんと
 偶然にも2分だけ再会しました。
 関東、関西と離れて暮らしているのに、
 こんな出逢いもあるんですね。