No.4743 40代が苦しい理由

毎朝、通勤途中にすれ違う。
 
90代ぐらいのお婆ちゃんが乗る車椅子を、
70代ぐらいのお婆ちゃんが押している。
 
40代の僕は、それを横目に通り過ぎる。
 
そんな僕の横を、
20代ぐらいの兄ちゃんが
颯爽と自転車で通り過ぎて。
 
車椅子も、自転車も去った後、
広い歩道の真ん中で
僕は無性にせつなくなる。
 
この感情はなんだろう?
 
老老介護に対する哀れみか。
それとも、
若者に対する羨ましさか。
 
いや、違うな。
自分だ。
 
本来、あの重そうな車椅子を押すべきは
自分なのかもしれないし、
あの楽しげな自転車に乗るべきは
自分なのかもしれない。
 
どちらも無視ができないのだ。
 
でも、行く道には行きたくなくて、
来た道には戻れない。
そこから生まれるせつなさが、
僕の心を締めつける。
 
年寄りと若者、
両方の世代に挟まれた
ボランチのような立ち位置は、
窮屈なくせにやたら孤独だな。
 
40代、
せめて同世代同士で
もっと励ましあって行こうぜ。