No.4892 信号を守る女子高生

今朝、道を歩いていた僕の横を
純朴そうな女子高生が
小走りで駆け抜けて行った。
 
行方の先には短い横断歩道と、信号。
青信号が点滅して、
今にも赤信号に変わりそうなところだった。
 
 
 
 「そっか、だから走ってたのか」
 
 
 
朝の日差しの中、
白い息を出しながら
小走りで駆けていく彼女の後ろ姿が
僕にはとても美しく見えた。
 
ビジュアル的にというよりも、
一生懸命信号を守ろうとして走る、
その一途さのようなものに胸を打たれた。
 
大人なんて、
数メートルしかない短い横断歩道なら
信号無視し放題だからね。
実際、僕もよくやるし。
 
でも、それをちゃんと守ろうとして走っている
彼女の背中を見て、
本当に心が洗われたなぁ。美しかった。
 
オッサン、
「もっといい大人になろう」と思ったよ。
 
思えば、もっともっと幼い頃には
手を挙げて横断歩道を渡っていた。
あの頃の僕のピュアさは、
一体どこへ行ってしまったんだ?
 
車は危ないもの。信号は守るもの。
応用ばかりで生きている大人より、
基本を大切に生きている子どもの方が素晴らしい。
 
もう一度思いだそう。
人間は誰しも、大人のふりをした子どもだ。
 
イキらず、子どもらしく、
純粋なままでいいのだ。