No.5246 静かなる怖さ
「うゎ~!」とおばけが出てきたり、
「どか~ん!」と火山が爆発したり、
怖さって音量に比例するイメージがあるけれど、
世の中、「静かなる怖さ」というものもあると思う。
たまにSNSなんかで流れてくる
「意味がわかれば怖い話」とかが
まさにいい例だよね。
意味がわからない人や何も感じない人には
当たり前の光景にしか見えないし、
いたって静かなものなんだけど、
わかる人だけはものすごく怖くなる。
しかも、みんなが怖がっていれば
まだマシなんだろうけど、周りが静かなぶん
「え?自分だけ…?」という孤独感のおかげで
さらに怖さは倍増するのだ。
今朝、電車の中で
久しぶりにこの体験をした。
ふと、車両に乗っている人を眺めていたら、
みんながみんな、一人残らず
スマホの画面をのぞき込んでいて。
「ガタンゴトン」という音以外の
話し声はまったく聞こえず、
ほぼ全員の耳にイヤホンがささっていた。
YouTubeやTiktokとかを眺めながら、
ひたすら無言でコンテンツを消費していく人たち。
改めてその光景を俯瞰すると、
会話の通じないゾンビたちが捕食をしているようで、
思わずゾッとしてしまった。
かく言う自分自身もスマホを持って、
同じようなゾンビになってしまっていることにも。
伝わるかなぁ、
このスリリングな感覚。
本当の怖さというのは、
意外と日陰ではなく
日の当たる場所にある。
平常であるはずの日があたる場所が
異常で埋め尽くされるからこそ、
心底怖くなるのだ。
「いつも笑顔で礼儀正しいヤクザが一番怖い」
というのも同じなんだろうね。
あなたの近くで笑顔でいる人、
本当に目が笑っているかは
ちゃんと見ておいた方がいいかもしれない。