No.3040 21世紀も「キョンシー」は生き続ける

キョンシーって、いたよね?

そうそう、
昔テレビでやっていた
あの中国のおばけのこと。

テンテン、かわいかったな~。
いやいや、懐かしい。

そんな大昔のことを思い出したきっかけは、
わりと意外なものだった。

この間、子どもたちが
「ジェスチャー当てゲーム」を始めてね。

投げる真似をしながら、
「これなーんだ?」
「うーん、やきゅう?」
「せいかい!」
といった具合に。

そのうち、子どもたちが僕にクイズを出し始めて。
「これなーんだ?」と言いながら、
両手を前に伸ばしたままピョンピョン跳び始めた。

 「へ? もしかして、
  キョンシー、、じゃないよな?」

   「せいかい!」

これには正解したこちらの方が驚いた。
キョンシーなんて昭和の出来事だから、
平成生まれの子どもたちが知っているなんて
夢にも思わなかった。

 「お前ら、それ、どこで覚えたん?」

   「このあいだ、テレビでやっててん」

テレビってすごいなぁと思うと同時に、
「怖いなぁ」とも思った。
知らなくてもいい過去も、知ってしまうんだなって。

そういえば、僕らが子どもの頃だって
ものまね四天王の番組を観ながら
自分が生まれる前のヒット曲を覚えたっけな。

今の時代はインターネットまであるから、
もう「過去に葬る」とか「隠し事をする」とかはできないね。

最近の小学生、
サンタさんの正体を知る一番のルートは
「Google検索」だそうだ。もう待ったなしだね。

隠し事がしにくい世の中で、
いかにして子どもたちに
夢やメルヘンを魅せてやれるか。

色々あるようで、
親の役割ってこの一点に尽きると思う。