No.3492 残業と栄光

不夜城と呼ばれた電通のビルが、夜10時に消灯。
表向きの対応とは言え、歴史的なことだと思う。

働くということ。
社会人になりたての頃、
それは「試合」のようなものだと思っていた。

自分の腕を磨いて誰かや何かに勝ち、
お立ち台のヒーローをめざすかのような。

クリエイターという職業柄もあったのかもしれない。
ただ負けたくなかったし、勝ちたかったから、
そこに時間という概念はあまり無かった。

体力的にはとてつもなくしんどかったけど、
「ライバルよりもしんどい思いをした者だけが報われる」、
そう思っていたのかもしれない。

40代になり、
特にあの頃を後悔することはない。

一見無意味な根性や気合いに支えられて
当時培った経験の数々が、
結果的には今の自分の足下を支えている。

「若い頃に頑張っていて良かった」、
それは本当にそう思う。

ただひとつ。
昔を振り返って思うことは、
「本当に死ななくて良かった」ということ。

いくらゲームが楽しくても、
命を失っていたら今はなかった。
そういう意味でも、
やっぱり時間という概念は必要だったと思う。

若者にはまだ自分で変える力がないのなら、
僕たち以上の年齢の大人が
きちんと環境を作ってあげるべきだろう。

僕は野球部以来、根性練習で育った。
だから、生ぬるいことは好きじゃないけど、
量より質の時代には賛成だ。

長時間労働の時代は変わるだろうか?
そんなにすぐには変わらないかな。

今回のキャッチコンテスト、
言葉で社会に一石を投じられたら面白いと思う。