No.2053〜57 sunny-yellowメンバーとの出逢い秘話

●今日のおはなし No.2053●
 
今では知り合いになった人でも、
最初の出逢いは偶然だったり、突然だったり。
 
それはもちろん、
sunny-yellow会員の皆さんも同じ。
それぞれの出逢いには思い出がある。
 
 
なんとなく、おはなしの中で
「会員の皆さんとの出逢いシリーズ」みたいなことを
やりたいなぁと思った。
5回シリーズぐらいでやってみようかな。
 
 
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member.1
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高校3年生の6月、
体育祭を前にして僕は睡眠不足と闘っていた。
 
毎晩友人宅で深夜まで応援合戦のパフォーマンスを考えて、
朝からの授業中は居眠り。
 
昼はダッシュで昼飯を食って、
1年生のクラスまで踊りを教えに行っていた。
 
 
 
 「ああ、このままじゃ倒れるな、俺」
 
 
 
疲労がピークに達していたある日、
いつものように1年生へのレクチャーを終えて
教室から帰ろうと思ったら、
後ろから追いかけてきた女の子に声をかけられた。
 
 
 
   「Hさん! これ、食べてください!」
 
 
 
あどけない顔をしたその子がくれた袋の中には、
手作りのお菓子が入っていた。
たしか、クラスのみんなと作ったとかで。
 
思わぬ下級生の優しさに
頭を撫でられたように心が安らいで、
自分の教室に戻ってから、少し涙が出た。
 
その女の子とは体育祭が終わった後もたまに話をして、
よく聞けば家が近かったこともあり、
卒業した後も手紙をやりとりした。
「体育祭、懐かしいね」なんて。
 
あれから15年以上の月日が経ち、
言葉を伝える手段は手紙からメールへと変わった。
 
お互い大人になり、近況を伝える機会も減ったけれど、
元気でやってるかな?
僕の近況は、とりあえず「おはなし」で見てね。
 
人がいて、出逢いがあって、友がいる。
 
離れていても、言葉があれば大丈夫。
あの日のように、sunny-yellowで会おう。
 
 
    Thanks. syukurimuさん
 
 
 
 
●今日のおはなし No.2054●
 
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member.2
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大学4回生の時、
内定をもらった会社に呼ばれて
懇談会のようなものに参加した。
 
次の春から一緒に働くことになる
同期社員との初顔合わせ。
緊張はしなかったけれど、
どんな人が仲間になるのかドキドキした。
 
しばらくして、グループワークのようなものがあり、
いくつかのグループの中で話をする機会があった。
 
「最初が肝心」ということもあったのだろう。
皆それぞれに個性的な意見を述べていたが、
その中で一人、主張するのではなく
「ほう、ほう」「うん、うん」「なるほど」と
周りの意見に耳を傾けている男がいた。
 
他の人の個性が際だっていたからか、
その男はとても大人しく控えめに見えたけれど、
「自分の中で大切にしていることは?」と司会者に聞かれた時、
「本質を捉えることです」と答えた彼に好感を持った。
 
入社後、同期社員として
どれだけ多くの時間を過ごしただろう。
 
僕を含めて我が強いメンバーが多かった中で、
冷静沈着な彼のキャラクターは、
ある時は僕らの暴走を止めるブレーキになり、
ある時はイジりやすい格好のネタになった。
 
社会人になってから10年以上経ったけれど、
彼のキャラクターはいまだに変わっていない。
 
お互い勤める会社は変わったけれど、
どうだい、元気かい?
僕は変わらず「おはなし」を書くから、
君も変わらずそのキャラクターでいてね。
 
人がいて、出逢いがあって、友がいる。
 
働く場所は違っても、言葉があれば大丈夫。
あの日のように、sunny-yellowで会おう。
 
 
    Thanks. JZS147さん
 
 
 
 

●今日のおはなし No.2055●
 
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member.3
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小学校1年生の頃、
1学期の6月という中途半端な時期に転校した。
 
クラスのみんなが既に仲良くなっていた時期だったから、
転校初日は輪の中に入るのに緊張して、
あまりうまく話せなかったのを覚えている。
 
掃除の時間になって、
とりあえずみんながしているように窓ふきをしていた時、
一人の女の子が僕に話しかけてくれた。
 
 
 
   「ねぇ、どこに住んでるん?」
 
 
 
ちょっぴり孤独を感じていたあの日の僕にとって、
彼女の言葉がうれしかったのは言うまでもない。
たまたま家も近かったこともあり、
すぐに友だちになって、よく遊んだ。
 
次の年、
僕の家のほうに新しい小学校ができた関係で、
彼女とは学校が離ればなれになり、
遊ぶこともなくなって。
 
それでも、窓をふきながら見た彼女の温かい笑顔は
ずっと僕の頭から消えることはなかった。
 
それから約10年後。
高校に入学した初日のことだった。
 
教室に入り、
初めて会うクラスメイトの顔を確認していたら、
廊下側の席に彼女によく似た女の子がいた。
 
当時15歳。
6歳の頃の顔とは違ったけれど、
なんとなく面影がよく似ていて気になった。
 
 
 
 「まぁ、そんなわけないわな…」
 
 
 
その日、家に帰ってからコープで買い物を終え、
店を出ようとしたら、
偶然、その女の子が目の前にいた。
 
間近で見たら、やっぱり似ていた。
 
 
 
 「もしかして、、○○?」
 
 
 
   「やっぱり、Hくん?」
 
 
 
10年ぶりの再会だった。
お互い大きくなっていたから照れくさかったけど、
うれしかった。こんな運命もあるんだなと。
 
それから、また僕らは同じ学校で時を過ごして、
卒業してからも帰省するたびに会って遊んだ。
 
一緒に成人式に行った時は、
久しぶりにお母さんに会って照れたけれど、
性別を意識しない幼なじみのような関係って、いいなと思った。
 
 
 
 「30歳になるまで相手がいなかったら結婚してやるよ」
 
 
 
冗談半分でそんな約束もしていたけど、
あれから君はママになり、僕はパパになった。
お互い、よかったね。
 
育児で忙しそうだけど、元気?
しばらく子どもの顔を見せてないけれど、
「おはなし」でたまに書くから見ていてね。
 
人がいて、出逢いがあって、友がいる。
 
あまり会えなくなったけれど、言葉があれば大丈夫。
あの日のように、sunny-yellowで会おう。
 
 
    Thanks. S.Mさん
 
 
 
 

●今日のおはなし No.2056●
 
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member.4
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中学時代に肘を痛めたものの、
野球以外のスポーツに興味がなかった僕は、
高校に入学してからなぜか「陸上部」に入った。
 
野球部時代に散々走らされたから、
長距離ぐらいなら走れるかな、と思って。
 
入部してみたら、(当たり前だけど)
足が速い奴がたくさんいて。
みんな中学から陸上をやっていて、
走ることが楽しくて入部してきている奴ばかりだった。
 
ただ、その中で一人だけ、
なんだかつまらなさそうな顔をしている奴がいた。
 
中学時代はそれなりの記録を残して、
自分の意思で入部してきたのに、
練習で長距離を走り終えても、どこか複雑な表情で。
 
しばらくして夏休みに入ったら、
そいつは突然練習に来なくなった。
 
心配した僕たちは、
夏休みの終わりに彼をカラオケに誘った。
夏だったから、TUBEとか杉山清貴とかを歌ったような気がする。
騒いでいるうちに、彼の顔に笑顔が戻った。
 
 
 
 「なあ、長距離が嫌なら、短距離いこーや。
  高跳びとか、どうよ?」
 
 
 
正直、競技内容なんてなんでも良かった僕は、
彼を誘って短距離(ハイジャンプ)に転向した。
 
とはいえ、二人ともまったくの素人だったから、
何を練習すればいいのかも分からない。
 
倉庫からマットを引きずり出して、
毎日その上で寝そべって、
みんなが走っている姿を眺めながらサボっていた。
 
 
 
 「180cmなんて、跳べるわけないわな」
 
 
 
   「そりゃそうやろ。身長より高いねんで」
 
 
 
 「はぁ、マットの上って、気持ちエエな」
 
 
 
   「ホンマ、ずっと寝ときたいわ」
 
 
 
お互いのクラスの話、昔話、恋の話…etc.。
マットに寝そべって青い空を見つめながら、
僕らは毎日、色んな話をした。
 
それから何度かハイジャンプの選手として
二人で大会に出たけど、当然、記録が残せるはずなどない。
 
しばらくしたら、彼はマットの上で
あの日と同じ複雑な表情を浮かべるようになった。
遠くを見つめる視線の先には、
トラックで走っている仲間の姿があった。
 
 
 
 「お前、なんだかんだ言って
  やっぱり走るの好きなんやろ?」
 
 
 
   「うーん…、まぁな」
 
 
 
 「やれや。走れ。
  お前は俺と違って足も速いし、
  第一、お前は高跳びには向いてない。ま、俺もやけど」
 
 
 
妙に納得してしまって、二人で笑った。
 
その後、彼は短距離の選手としてリレーとかで大活躍して、
僕は部のムードメーカーとして、遊びの企画ばかりを考えた。
 
あれから、随分時が経ったなぁ。
住む場所は離れたけれど、たまに会う時はやっぱり楽しい。
 
青い空を見ると、
「青春って青色だったんだなぁ」とふと思う。
 
今さらながら、あの時
お前をカラオケに誘っておいて良かったと思うよ。
 
また飲もうな、親友よ。
 
人がいて、出逢いがあって、友がいる。
 
また迷う時があっても、言葉があれば大丈夫。
あの日のように、sunny-yellowで会おう。
 
 
    Thanks. D.Mさん
 
 
 
 
●今日のおはなし No.2057●
 
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member.5
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社会人になって、最初の頃だったと思う。
新入社員の研修の一環で
「広告制作コンテスト」のようなものがあった。
 
新入社員がそれぞれに手描きで自社の広告を作り、
先輩社員がそれを比べて投票するというもの。
 
入社したばかりで広告制作の経験がないとは言え、
同期のほとんどが営業採用だった中で
コピーライター採用だった僕としては、
頑張らないわけにはいかなかった。
 
結果発表当日。
僕の結果は2位だった。
1位は営業採用だった女の子。
 
ちょっと悔しかったけど、たしかに
活気あふれる社風が伝わるいい作品だったと思う。
 
ちょっと悪ガキのような女の子だったけど、
「豊かな感性を持った子だなぁ」と好感を持った。
 
その後、彼女が営業としても
お客様に愛されたのは言うまでもない。
 
営業に配属された同期社員が次々と壁にぶち当たる中で、
彼女はどんどん売上を伸ばし、脚光を浴びていた。
クリエイティブに配属された僕は僕で、
わりと早い段階から賞を受賞し、今思えば波に乗っていたと思う。
 
彼女が仕事を取ってきて、
僕が完璧な広告に仕上げる。
新人同士でタッグを組んで、先輩よりもいい仕事をする。
そんなやりとりが毎回楽しかった。
 
でも、それからしばらくして気がつくと
僕らはもう「新人」ではなくなっていて。
いつのまにか、周囲から見れば
それなりに仕事ができる立派な中堅社員になっていた。
 
その頃からだろうか、
お互い、仕事中に難しい顔をし始めたのは。
 
周囲からの期待、責任、目標、プレッシャー。
日毎に大きくなる何かに、
僕らはたしかに押しつぶされそうになっていた。
 
同期が会社を辞め始めたのもこの頃だったと思う。
 
僕らも最初は仕事の合間に相談しあったりしていたけれど、
だんだんその言葉さえ出なくなり、
彼女はよく泣き、僕はよく黙るようになった。
 
お互いの心が限界を迎えていた、
ある日のこと。
 
言葉にならない苦しさをこらえきれず、
僕はデスクから彼女にメールを送った。
件名も、内容も、まったくの空白で。
 
数分後、彼女が席まで飛んできて
僕の肩をマッサージしてくれた。
 
無言のメッセージなんて
普通の人なら意味がわかるはずなんてないけれど、
それをわかってくれる友がいることに心から感謝をした。
 
今でもたまに思うんだ。
 
また僕が無言のメッセージを送ったら、
君は助けに来てくれるのかなって。
 
きっとあの頃は、
毎日いっぱい話をしていたから、
大事な時に言葉がいらなかったんだね。
 
僕が毎日感じていることは
これからもおはなしで書いていくよ。見ててね。
12月3日、誕生日おめでとう。
 
人がいて、出逢いがあって、友がいる。
 
今日の一言が出なくても、
昨日までの言葉があれば大丈夫。
あの日のように、sunny-yellowで会おう。
 
 
    Thanks. レッドキャベツさん