No.3878 37℃の夏に思うこと

日本っていい国だけど、たまに怖い。

暗黙の了解というか、普段はおとなしいくせに
「ダメだけど、みんなでやれば怖くない」みたいな
ことををやることがあって、怖い。

代表例は「残業」だけど、それだけじゃなく、
今話題になっている「熱中症」とかもそう。

「いや、本当に危険だから」といくら警鐘を鳴らそうが
屋外でのイベントや学校行事は行われるし、
スポーツの試合だって中止にならない。
夏の高校野球地区予選も、何事もなく進められているし。

こういうのを見ていると、正直ゾッとするんだよね。
本当に命の危険がある環境なのに、
「去年まで開催していたから」「みんながやるから」で、
そのままやっちゃうんだな…って。

うちの息子のサッカーでもそう。

気温37℃、グラウンドの温度はもっと高い状況でも、
サッカー協会は大会予選の試合を中止にしてくれない。
「大会日程が決まっているから」という理由だけで。

当然、試合を辞退したら不戦敗扱いされるから、
どのチームの選手も行くしかない状況になる。
つまり、ブラック企業の従業員と同じように、休めないのだ。

親としても止めたい気持ちは山々だけど、
「みんな休まない」「チームに迷惑がかかる」と言われると
返す言葉がなくなってしまう。

そんな状況の中、正直毎回ハラハラしながら
息子を炎天下での試合に送り出しているんだけど、
昨日、ついに事件が起きた。

別のチームの選手が試合中に熱中症で倒れて
救急搬送されたのだ。

「35℃以上は絶対にスポーツ禁止」と言われながら
無視して開催してきた結果の出来事。
「主催者の協会はどう責任を取るんだろう」と思っていたら、
驚くことに、それでも試合は続行された。
 
 
怖い、この国は怖いよ。

「他に迷惑をかけちゃいけない」という暗示が
「自分は我慢しなきゃいけない」に変換され、
ギリギリの状態になるまで人を追い込む。
これって、ブラック企業だけの問題じゃないと思うな。

注意報が出ようが警報が出ようが
大人は普通に会社に行くし、
子どもも“注意して”学校に行く。

アラートなんて
後で問題になった時のエクスキューズに過ぎず、
空しいだけ。意味がない。

世間に背を向けても、
自分で自分を止めなきゃいけないんだな。
子どもなら、親が止めなきゃ。

これまで周りに流されてきたけど、
ちゃんと自分の胸に刻んでおこう。