No.537  サンタさんへのお手紙

昨日のクリスマスイブ、
寝る前にぼーっと色んな想い出を探していた。

 「オレって、いつまでサンタさんを信じてたんやろ…」

忘れもしない、5歳の頃。
朝起きると、2段ベッドの上の
僕の枕元にプレゼントが置いてあった。

 「うわぁ、サンタさんや!」

早まる気持ちをおさえられず、急いで包装紙を破ると、
そこには真新しい野球のグローブが。

嬉しくて嬉しくて、2ヶ月ほど枕元に置いて、
一緒に眠ったっけ。

小学生になると、
サンタさんに“手紙”を書くようになった。
ニチイやダイエーのチラシから、欲しいおもちゃの写真を切り抜いて、

 「○○か△△か、ダメなら◇◇をください!」

って。
たいてい朝起きると、手紙で書いたモノとは全く違う、
“文房具”が置いてあった。

その頃からこう思ったのである。

 「サンタさんは、日本語が読めないんだ」

と。

毎年、イブの夜には窓を開けて眠った。

 「だって、うちには煙突がないから、
  サンタさんが入ってこられへんやん」

と。

小5か小6になったある冬の日だった。
たまたま僕は両親の押し入れを開けてしまった。
するとそこには、何やら大きな紙袋が…。

 「まさか…」

クリスマスの朝起きると、
その紙袋が枕元に置いてあった。
何かが崩れたような気がしたのを覚えている。

あれから何年経ったかな…。
今はもう、枕元にプレゼントが届くことはない。

ただ、大人になっても
こんな素敵な想い出を思いだすことができるのは、
やっぱり両親の演じたサンタさんのおかげのような気がする。

相変わらず、いつも口うるさく電話してくるサンタさん。
一生モンの素敵なプレゼントを、ありがとう。