No.2108 親父が送ってきたメールの真意
昨日の夜、携帯にメールが届いた。
差出人は、親父。
親父からのメールなんて
年に1、2回あるかないかのことなので、
「何だ!?」と不気味さを感じつつも開いてみた。
> Subject: 雛祭り
>
> こんばんは、○○ちゃんに、よろしく。家族を大切に。
昨日は3月3日。
娘にとって初めてのひな祭りだった。
親父がそれを覚えていることは意外だったが、
やっぱり初めての孫娘がかわいいんだろう。
でも、それがこのメールの趣旨ではない。
親父の不器用な性格を知り尽くしている僕には、
彼が一番言いたかったことがすぐにわかった。
「○○ちゃんに、よろしく」なんて、
0歳児に言ってもわからないことは誰でもわかるしね。
それは親父にとって、
僕にメールを送る上での言い訳、照れ隠しに過ぎない。
本当に言いたかったのは、
メールの最後の言葉である。
> 家族を大切に。
僕や姉が小さいころ、
親父は1カ月のうち20日ほどは出張で家にいなかった。
孫ができて、子どものかわいさに触れて、
親父は僕らが小さい頃に一緒にいれなかったことを
今さらながら後悔しているようで。
帰省する度に、最近親父はいつも
「まだ仕事遅いんか?」と聞いてくる。
それはすなわち、
「俺と同じようにはなるなよ」という
親父流のメッセージでもあるのだ。
「はいよ。今から帰ってお祝いするわ」
そうメールを返信して家路を急いだ。
自転車に乗って、息を切らしながら。
そういえば、たまに親父が息を切らして帰ってきて
「なんでそんなに走って帰ってきたーん?」と
聞いたことがあったなぁ。
そっか、子どもたちが起きている間に
会いたかったんだね。
今になってわかるぜ。ちくしょー。