No.1462 2006年12月、我が家の夜
深夜1時。
最近、嫁との会話はこのぐらいの時間から始まる。
昨日も食後にベランダでタバコを吹かしていたら、
さっきまで疲れて眠っていた嫁が
目をこすりながら「洗濯物干さなきゃ」と外に出てきた。
「あ、見て。今日は星がきれいやで」
「ん?」
嫁の言葉に空を見上げると、
たしかに、いつもより空気が澄んでいて、
オリオン座がきらきらしていた。
「あれと、あれと、あれが三角形やんな?」
「どれよ? 全然わからん」
仮にも、幼い頃は日本有数のプラレタリウムがある
明石市で育った僕だが、星座のことなんてまったく知らない。
遠足で何度も天文科学館に行ったけど、
きっと、暗闇で女子の手を握ることに集中していたんだろう。
「ほら、あれがシリウスで、あれが…」
「シリウス? プリウス(by TOYOTA)しか知らん」
その後も、しばらく深夜のベランダで
たわいもない夫婦の会話が続いた。
息子は、そんな両親をよそに
指をちゅぱちゅぱさせながら眠っていた。
2006年12月、
我が家の夜はこんな感じだ。