No.3356 東日本大震災から5年を前に
5年前の今日、
僕が何をしていたかと聞かれたら、
いつもと変わらない平凡な木曜日を過ごしていた。
年度末のドタバタに追われながらも
「明日の金曜日さえ頑張れば休めるわ~」、
そんなささやかな期待を胸に抱きながら、
ただ自分のことだけを考えて。
一晩眠れば、いつものような明日が
また普通にやってくるものだと思っていた。
その翌日。
僕はそれまで見たこともないような
未曽有の災害の様子を
テレビで目の当たりにしていた。
街や人を飲み込む大津波。
けたたましく鳴り響くニュース速報。
どんどん更新されていく死者の数が
現実のものとは受け入れられなかった。
同時に、大切な人の安否が気になって
手当たり次第にメールで連絡を取った。
しばらく時間を置いて返ってきた、
友人たちからの言葉。
全員から返事があったことは
今思えばたまたまで、幸運だったのだろう。
安堵はしながらも、
大切な人の近況すら確認していなかったことを反省した。
あれから5年、
僕たちは何を学んだだろう?
明日は普通にやってくる、なんて、
今は忙しいからまた今度、なんて、
相変わらず何かを未来に繰り越しては
惰性で過ごしてしまっているような。
あの時、僕らは
離れて暮らしているからこそ、
言葉が大切なことを知った。
どんな短い言葉でさえ、
それは「生きている証」だと。
言葉があるからこそ「未来はあるんだ」って
胸を張って言い切れることを。
今日のあなたは、どう生きてる?
忘れててもいいから、思い出そう。
無言は死を意味することを。
言葉は命であることを。