No.3439 父から息子へ託す言葉
なぁ息子、
寝相の悪いお前が毎朝眠りから覚めた時、
ちゃんと布団を着ているのは
なぜだかわかるかい?
バカだなぁ、それくらい気づけよ。
無邪気な犬みたいに、
サッカーボールばかり追いかけてないで。
人間ってのはな、
知らないところで自分以外の人に
支えられているもんなんだよ。
それが誰なのかは、
アイスでも食いながら自分で考えろ。
怒られた時、
泣きながらもたまに
口ごたえをするようになった。
毛も生えてない半人前が一丁前に、
唇を震わせながら。
それでいいんだよ、男だろ?
自分の筋を通したいなら、
もっと本気でぶつかって来い。
きっと最初は、何をやっても
大人にはかなわないだろうけど。
悔しい? だろうな。
父さんも昔はそうだった。
でも諦めるな。
自分の気持ちを貫けば、
そのうち扉が開く時が来る。
そこが大人への入り口だ。
父さんも歳をとった?
やかましい。
お前ごときにまだまだ負けるつもりはない。
サッカーも勉強中だ。
クリエイティブも捨てちゃいない。
お前、クラスでモテてるらしいじゃねーか。
それがどうした。
口説き文句なら、いつでも勝負してやるぜ。
なぁ息子、
どうして父さんが
こんな戯言を言うのかわかるかい?
バカだなぁ、そろそろわかれよ。
父さんも昔はわからなかったけど。
お前も大好きな田舎の爺ちゃん、
あの歳になっても父さんに
ケンカを売ってくることがあるだろ?
そういうことだ。
親父ってのは、
息子に男の夢を託すんだよ。
託したいからこそ、
厳しく鍛えようとするんだよ。
わかったなら、
父さんの背中なんて早く越えて行け。
お前には未来がある。
どこで何をしてもいい。
すべての人に感謝して、まっすぐに生きろ。
色々書いてはみたが、
生きているうちに
お前に答えを教えるつもりはない。
いつかこれを読む日が来たら、
一人で酒でも飲みながら
男の人生について考えろ。
そして、
母さんのこと、頼んだぞ。