No.3927 今でもそばにいる君の誕生日
おめでとう。
君の誕生日を祝うのは、
今年で何度目になるんだろう。
こんな年齢になっても、10代の頃と変わらず、
当たり前のようにそばで祝えることを
幸せに思う。
最初の誕生日に何をあげたのかは、
すまないけれど、もう忘れてしまった。
でも、僕のことだから
一生懸命選んだとは思う。
それでも、やっぱり思い出せないな。
ごめんなさい。
逆に、これまでもらったものは
ちゃんと覚えている。
君は、僕が好きそうで買いそうにない
アイテムを用意するのが昔から上手かった。
社会人になってすぐの頃だったかな、
「残業代がたくさん出たから」と言って、
ミニコンポをプレゼントされた時は驚いた。
色んなものをもらったけれど、
一番胸に残っているのは26歳の誕生日。
仕事でボロボロに疲れ果てていて、
週末に君と会っても何も言葉が出ないぐらい、
死にかけていた頃。
君はいつも黙ってそばにいてくれたけど、
誕生日、洋服と一緒に、
ミスチルの「終わりなき旅」のCDと
メッセージ付きのポストカードをもらった。
「僕たちのリズムでいこう」、
そう書かれたポストカードの裏には
シンプルだけど僕を知っている人にしか書けない
エールの言葉が並んでいた。
たぶん、あのカードがあったから、
地獄のような毎日から這い上がることができた。
そして、だから今の僕があると思う。
永く一緒にいたいから、
あの時の恩は少しずつ返させてほしい。
とりあえず今日は、君の好きな
キルフェボンのタルトでも買って帰るよ。
今でも「ただいま」と言える幸せをかみしめて。