No.4059 10years
何事も、10年というのは一つの節目。
10という数字に
何か特別な根拠があるわけでもないけれど、
3年、7年よりも、やはり10年だ。
僕が初めて10年という節目を意識したのは、
昔、渡辺美里の「10years」という曲を聴いた時だった。
当時はまだ中学生。
それまでは1年を振り返るような意識などなく
とにかく前を向いて生きていたし、
ましてや10年の重みなんて意識したこともなかった。
ただ、「♪あれから10年も~ この先10年も~」
という歌詞を耳にして、13、14歳の自分の中にも
一度は節目の時があったことに初めて気づいた。
そして、10年後の自分のことも。
10年後の自分のことなんて
まるでわからなかったけれど、
なんとなく野球に明け暮れながら
文章も書いているようなイメージがあった。
実際、10年後には
草野球で汗を流すコピーライターになったわけだから、
僕の予想もあながち間違ってはいなかったのだろう。
今から10年前、
奈良にある産院の外で空を見上げながら
10年後の今日を想像していた。
おぼろげなイメージでは、
ダイニングで家族がみんな笑っていて、
その輪の真ん中に大きくなった娘がいた。
そして今日、娘が10歳の誕生日を迎えた。
あれから10年も。早いなぁ。
この先10年も、早いかもな。
10年後の姿は、あえて想像せずにおこう。
娘には、いつまでも子どもでいてほしい。
父親というのはそういうもんだよ。
娘の誕生日がやって来るたびに、
うれしいようで、さみしいようで、、
やっぱりうれしいんだよ。