No.2499 病気になった息子の気遣い

土曜日の昼。

インフルエンザ中の息子に薬を飲ませた後、
布団で寝かしつけようとしたら、

   「リビングで寝たい! リビングで…」

とタダをこねる息子。

「もぉ、妹と遊びたい気持ちはわかるけど、
 軽くない病気なのに…、親の気も知らないで!」
という苛立ちもあり、思わず
「ちゃんと布団で寝なさい!」と叱りとばしてから
息子を寝室に連れて行った。

その後、
布団で寝かしつけていると、
横になりながら息子が涙目でこう言った。

   「おとーさん、○うたのことはいいから、
    □□(妹)と遊んであげて…」

その瞬間、息子の気持ちに
気づいてやれなかった自分を反省した。

息子が「リビングで寝たい」と言ったのは
決してわがままではなかった。

「自分がリビングで寝れば、
 お父さんが妹と遊んであげられる」、
そんな優しい気持ちから出た言葉だったのだ。

「親の気も知らないで」と思ったけれど、
子どもの気持ちを分かっていなかったのは
僕の方だったのかもしれない。

やがて、泣きながら
布団で眠った息子を見て、
僕も少し泣きそうになった。

いつのまにか大きくなった頭を、
そっと、何度も撫でてやった。