No.2596 遠い日の花火
昨日、息子を連れて
地元で開催されていた花火大会を観てきた。
一瞬の光線を放ち、
夜空に儚く消えていく花火。
大人の僕たちは、
儚いものだからこそかみしめて
思い出に残したがる。
でも、子どもは違うんだね。
思い出を残すなんて概念はなくて、
一瞬一瞬の今があるだけ。
ただ目の前の光景を楽しむ息子の姿を見て、
ちょっとうらやましかった。
彼ら子どもは、その景色が
いずれ記憶の中から消えていくことなんて知らない。
知らないからこそ、とても純粋に、
そのままの現実を楽しめるんだね。
キラキラした目で
色とりどりの花火を見上げながら、
「こんな夢だったらいいのに」
と呟く息子を見ながら、
自分が無くしかけていたものを改めて探した。