No.4726 1つか、2つか
そこに「山」があるのではなく、
あれは「地面」が大きく隆起しているんだよな。
おっぱいがついているのではなく、
胸がふくらんでいるのと同じだね。
山と地面、おっぱいと胸、
それぞれに名前がついているけれど、
2種ではなく形を変えた1種なんだ。
それじゃあ、
見た目がどこまで変化すれば
2種あるに見えるのか。
そのラインは実に難しい。
たとえば空は、どこまで行っても空だ。
青空とか曇り空とか色々あるけれど、
空であることには違いない。
空以外にもう1種類あるようには見えない。
海も同じかな。
入りくめば「湾」にもなるけど、
海と湾の2種類あるようには見えない。
やっぱり海は海に見える。
もっと小規模なところで
「ビール」とかはどうだろう?
グラスに注ぐと、金色の液体と泡とに分かれる。
どちらも「ビール」なんだけど、
あれはちょっと2種に見えるなぁ。
おっぱいと胸ぐらい別物に見える。
うーん、難しい。
モノじゃなく人間はどうだ?
恋人や夫婦、家族は?
複数あるようで実は1つ?
いや、1つのようで複数存在して見える。
山と川をまとめて「自然」と呼ぶように、
本当は別々にある人生をひとまとめにして
「恋人」「家族」と無理やり1種類として
扱っている感じ。
山と地面のように続いてもいないし、
体も別々だし、1種として縛るには窮屈だな。
呼び方は1種でも
本当は2種以上あるなら、
それぞれを尊重することを考えなきゃな。
空や海のように大きな1つの美もあれば、
ビールのように分かれて隣り合うからこその
美もあると思う。
深いねぇ。
人生1回目だから、まだよくわかんねーよ。