No.2384 我らがヒーロー「サラリーマン」

走り続ける戦士 サラリーマン

予定を追いかけ 時間に追われ
君はいったいどこに行く

食べるために働くのか
働くために食べるのか

休日のために働くのか
平日のために休むのか

目的地はいつも
見えかけては消えるけれど
君は休むことなく走り続ける

孤独な戦士 サラリーマン

街中で 同じように
汗をかいている戦士を見つけると
知り合いでもないのに親しみがわく

一人じゃない みんな同じなんだ
そんな気休めのような呪文で暗示をかけては
心の疲れを自分で癒して

野心はちっぽけなくせに 期待だけは常にデカく
天から落ちてくる運を待っては
まだ見ぬ楽園でのセカンドライフを想像する

考える戦士 サラリーマン

人と戦わず 自分と戦い
終わりのない自問自答を繰り返す

その先にあるのは 
幸か不幸か 生か死か

行き詰まったら とりあえずビール
おそらく明日も悩む 
明後日も その次の日も

予定は未定で 結論はいつも霧の中

それでも とにかく君は走る
止まったら なんとなく怖いから