No.369  コンビニ兄ちゃんからの挑戦状

この間、シャンプーを買いにコンビニに行った。

レジの前でシャンプーを置き、
お金を払おうとすると、
新入りらしきお兄ちゃんからこんな言葉が。

 「あたためますか?」

! 間違いない。
オレは確かにシャンプーをカゴに入れていたのだ。
このプラスチックの容器に包まれた液体を、
あたためようというのか?

挑戦だ。挑戦に違いない。
兄ちゃんはオレを試している。

こんな大衆が集まるコンビニの場で、
ノリつっこみが出来るかどうかを。

   「はい。」

言ってやったー!
さて、どうなるんだ?

電子レンジに入れるのか?
入れるとしたら何分あたためるんだ?

緊張の一瞬。

兄ちゃんが動いた!
振り返って、レンジの方へ。
うっそー、やるなーコイツ!

が、次の瞬間、

 「オマエ何やってんねん。
  (こちらを向いて)失礼しました。」

と、店長らしき人がわりこんだ。

   「あ、いえ…」

ちょっと残念。

もしかしたら、
世界初、電子レンジから吹き出るシャンプーを
見れたかもしれなかったのに。

時に人間の理性ってヤツが、つまらなく思う。

丸坊主の中学生が美容室に行って、
「松嶋菜々子みたいに…」と言ってもいいじゃないか。

美容師さんに
「今日はどうしますか?」と聞かれたら、
「僕を、めちゃくちゃにして下さい。」とおねだりしたっていい。

髪を洗いながら
「かゆい所はありませんか?」と聞かれたら、
「奥歯」と答えたって、「前頭葉」と答えたっていいだろう。

最後に鏡を見せられながら、
「これでいかがですか?」と聞かれたら、
「元に戻してくれ」というのもいいじゃないか。

必要な理性はあった方がいい。

でも、つまらない理性は
週2回のゴミの日に捨てていこう。