No.3561 40代のオッサンが欲しいもの

10代になる前、
まだまだ幼い頃は「夢」が欲しかった。

テレビで観るスポーツ選手や歌手、
そのまばゆいばかりのオーラに憧れた。
 
 
10代になり、
だんだんと「自由」が欲しくなった。

家や学校が狭く、窮屈に感じ始めて、
縛られた縄をほどくように
実家や地元を後にした。
 
 
20代になり、
一人で暮らし始めてからは
「温もり」が欲しくなった。

親の言うとおり実家に帰れば
その温もりは得られたのかもしれない。
ただ、大人になったプライドもあり、
ひたすら自分の力で捜し求めた。

一人で過ごすことが嫌いで、
気づけば金もないのに結婚していた。
 
 
30代になり、
父親になってからは
「時間」が欲しくなった。

プロとしての立場が上がるに連れて、
どんどん増えていく仕事。
それはとても誇り高く、楽しくもあったけれど、
たまに我が子の顔を見るたびに
家庭人としての自分の時間が少なく感じた。
自然と、次の転機を計画していた。
 
 
こうして40代になり、今に至る。

今は何が欲しいって?
そうだね。
しいて言うなら「熱」が欲しい。

昔よりも色んなことが落ち着き、安定し、
波風は静かになってきた気はするけれど、
クールに漫然とは生きたくない。

いい年齢をした大人として
普段はそれなりの気品を保ちつつも、
動く時は熱く動き、楽しむ時はとことん楽しむ。
そんなオッサンでいたいな。
 
 
齢は増え、欲は変わる。
面白いねぇ、
人生は底のないジュエリーボックスのようだ。

さてと、今、君は何が欲しい?
僕がそれを君にあげるから、
君は僕に情熱をちょうだい。

そんな風に、
二人で一つになれる友だちでいよう。