No.4977 マイナカードの番号花子さん

–皆さん、こんにちは。
 ラジオお悩み相談室、本日のゲストは
 最近人気急上昇中の「番号花子さん」です。
 花子さん、よろしくお願いします。
 
 
 
「…よろしくお願いします」
 
 
 
–さて、最近は
 マイナンバーカードのニュースのおかげで、
 花子さんの姿をテレビで観ない日はありません。
 この注目ぶり、ご自身としては
 どう受け止めていらっしゃいますか?
 
 
 
「…迷惑です。
 顔が知られすぎて街を歩くこともできません。
 
 マイナンバーカードについて、政府は
 『個人情報に配慮します』とか言っていましたよね?
 私の個人情報はどうなっているんでしょうか…?」
 
 
 
–なるほど、今日はそのお悩み相談というわけですね?
 
 
 
「はい。もう、日常生活に
 支障をきたしているレベルですので…」
 
 
 
–具体的には、どんな迷惑が?
 
 
 
「一番多いのは、
 知らない人からいきなり声をかけられて、
 文句を言われることです。
 
 『お前か!健康保険証なくそうとしている奴は!』とか、
 『持ち運ぶにはなんか怖いし、
 持ち運ばなかったら使えへんねん!』とか、
 『河野と付き合ってるんやろ!文春に言うぞ!』とか、
 とにかく色々な濡れ衣を着せられます…」
 
 
 
–それは大変ですね…。
 
 
 
「プライベートでカード決済をしようとしても、
 店員に『マイナカードですか(笑)』と馬鹿にされたり、
 もう、普通の生活ができなくなっているんです」
 
 
 
–それはもう、政府に文句を言っていいレベルですね。
 
 
 
「いえ、そもそも、
 この仕事を引き受けた私も悪いんです。
 電話でスカウトされた時は
 『国の代表キャラクターになれますよ』
 という誘い文句に心が躍ってしまって。
 あの時、ちゃんと断っておけば…」
 
 
 
–最初のアプローチは電話だったんですね。
 ちなみに、そのスカウト担当者はなんと?
 
 
 
「『番号花子さん、のケータイですよね?
 素晴らしい!この仕事をするために産まれてきた方だ!』と」
 
 
 
–その時点で、花子さんの個人情報、漏れてますね。
 さすがは政府です。
 でも、これだけ有名になってしまった以上、
 ほとぼりが冷めるまで待つか、
 整形するしかないですよね。
 
 
 
「整形したいんですけど、2025年まで
 氏名や容姿の変更はできない契約になっているんです。
 『施策が失敗してカードを再発行することになった時、
 番号花子の顔が変わってしまったらお年寄りが混乱する』
 とかの理由で…」
 
 
 
–なかなかの悪魔契約ですね。
 ちなみに、花子さん自身はマイナカードをお持ちなんですか?
 
 
 
「ええ、一応持ってはいるんですけど、
 どこで提示してもサンプル例としか受け取ってくれなくて。
 
 何度も私本人のカードだと説明はするんですが、
 『あなたが本当に番号花子さんなら、身分を証明書できる
 マイナンバーカードを提出してください』
 とか、堂々巡りなことを言われたりもします」
 
 
 
–マイナカード、これからどうなるでしょうね。
 
 
 
「わかりませんが、とりあえず
 私との契約は早めに解除してほしいです。
 代わりに北川景子さんあたりと契約すれば、
 別の意味でカードが早く広まるんじゃないでしょうか?
 
 免許カードのキャラクターを務めた日本花子さんは
 早々にフリーアナウンサーに転身しましたし、
 私も早く別の人生を歩みたいです」
 
 
 
–花子さん、大丈夫ですよ。
 この騒動が終わったら坂道グループにでも加入してください。
 傷心状態の中、今日はありがとうございました。
 お悩みは解決できませんでしたが、今後も応援はしています。
 
 
 
「ありがとうございます。
 皆さん、マイナンバーカード、早く忘れてください」