No.5035 昭和の刑事ドラマ

むか~し、昔、
あれはたしか、昭和の終わり頃のことじゃった。
 
「あぶない刑事」というテレビドラマがあってな。
 
昭和の時代は刑事ドラマが多かったんじゃが、
それまでの刑事ものとは違って、
ちょっと異質なドラマでのぉ。
 
まず、主役が一人じゃなく二人おった。
たしか、「タカ」と「ユウジ」とかいう名前じゃったかのぉ。
タカは舘ひろし、ユウジは柴田恭兵じゃ。
 
カオルという同僚のヒロイン役には、浅野温子。
昔はドラマといえば
とにかくW浅野のどちらかが出ておって、
正統派ドラマはゆう子、
面白ドラマは温子が担当することが多かったんじゃ。
 
後輩刑事のトオルは、そのまま仲村トオル。
あとはベンガルや木の実ナナなんかも出ておったのぉ。
 
まぁ、そんな感じで
なかなか豪華な配役のドラマだったんじゃが、
なにかとブッ飛んでおった。
 
主人公二人は刑事なんじゃが、いつもサングラス姿。
まぁ、それだけなら昔の刑事にもおったが、
色々ふるまいが破天荒でのぉ。
 
すぐ殴るし、すぐ発砲するし、すぐ女を口説く。
まるでチンピラのような刑事たちじゃった。
 
でも、不思議なことに
毎回必ず事件を解決するんじゃ。
 
タカは犯人を追っている最中に
必ず途中でバイクを簡単にパクり、
ユウジはいくら相手に撃たれても
マトリックスのように弾をよけていく。
 
実に不思議じゃったが、
とにかく事件は1時間番組の中で
毎回解決しておった。
 
小学生の頃のワシには、
「あぶ刑事」の何もかもが刺激的でのぉ。
 
刑事ドラマには珍しく、
ほとんどの挿入歌が洋楽じゃったから、
音楽にもハマったわい。
 
ワシが生まれて初めて買ったレコードは杉山清貴だったが、
初めて買ったCDは
何を隠そう「あぶ刑事」のサントラじゃ。
 
ちなみに、タカとユウジ、
それぞれの曲も収録されておる。
ワシはどちらかというとユウジ派じゃったけどな。
歌はタカの方がうまかったな。
 
ああ懐かしい、懐かしいのぉ。
昭和の時代は色々雑で良かったわい。
 
もしかしたら、人間、
情報が少ない世の中の方が幸せなのかも、なぁ。