No.5462 イッキ
昨日の夜、
居酒屋で生ビールを見つめながら
ふと思った。
「あの頃、なんで
イッキとかしてたんだろうな~」
イッキ。
それは文字どおり
一気にお酒を飲み干す行為。
体への影響を考えても、
短時間で酒代を
消費してしまうことを考えても、
あまりメリットのない行為だ。
でも、昔はとにかく
イッキが流行っていた。
学生時代は特に。
僕が記憶している限り、
イッキという行為を流行らせたのは
とんねるずだったと思う。
ねるとん紅鯨団とか、
当時若者のリーダー的存在だった彼らが
番組の中で「イッキ!イッキ!」と
やり始めたおかげで、あっという間に広まった。
その頃の僕は
中学生ぐらいだったけど、
「将来酒を飲むようになったら、
これをやらなアカンのやな~」と
なんとなくイメージしていた気がする。
すでにその頃から、
「大学生×コンパ=イッキ」という方程式は
確実に頭の中にすり込まれていた。
で、実際に大学生になってみると、
新歓コンパやらで早速イッキがあった。
幸い、僕は酒が強かったので大丈夫だったけど、
同じ学部に入学した何人かは
吐いてトイレで撃沈した。
「なるほど、
飲み会ってサバイバルだな…」
直感的にそう学んだことを覚えてる。
イッキとは、
根性の強さやノリの良さが試される
いわば踏み絵であり、
それにトライしない者は「小心者」「オモロない奴」。
一度そんなレッテルを貼られてしまうと、
華やかな学生生活からは遠ざけられる。
逆に、やり遂げれば人気者になる可能性も。
そう、僕らは自主的ではなく、
心のどこかで仕方なく
イッキをしていたんだと思う。
社会人になっても
たまにイッキを求められたけど、
いつの頃からか自然とその文化は消えた。
今はもう、居酒屋で
イッキのコールを聞くことはまずない。
アルハラとか厳しい令和の時代、
ある意味で今の飲み屋はとても静かだ。
ただ、たまにその静けさが
ちょっとだけさみしく感じる時もある。
イッキが良い行為とは言えないけど、
なかやまきんに君風に言うなら
「やるのかい?やらないかい?どっちなんだい?」的な
あのゲーム挑戦感覚は懐かしいな。
課金して購入した
架空の生ビールジョッキを飲み干す
イッキのスマホアプリとか出たら、
今の若者は根拠を見せてトライするのかな?
今も変わらぬ若者のバカな心意気を、
ちょっとだけ見てみたい気もするぞ。





