No.1043 未来の昔話 〜2004年バージョン〜

「未来の昔話」
 
 
むかーし、昔のことじゃった。
あるところに、ケンカばかりしている
オジさんとオバさんが暮らしておったそうな。
 
ある朝、オバさんが海で心の洗濯をしていると、
海の向こうから、どんぶらこー、どんぶらこーと
大きな星が流れてくるではないか。
 
驚いたオバさんは星をすくいあげて家に持ち帰り、
面倒くさがるオジさんに小遣いを渡して、
ゴルフクラブで割ってもらったそうな。
 
すると…、なんと中から白馬に乗った
「ぺ・ヨンジュン」という男が出てきたのじゃ。
 
一目で恋に落ちたオバさんは、
その日からオジさんをそっちのけで
こっそりぺとデートを繰り返し、それはそれは
幸せな日々を過ごしたそうな。
 
そんな、ある晩のことじゃった。
二人の関係を疑っていたオジさんは、
オバさんの気持ちを確かめるために、
外から携帯電話でオバさんに電話をしたんじゃと。
少しだけ、声を変えてのぉ。
 
 
 「もしもし、オレオレ、ぺだよ。
  今車で事故を起こしちゃってさ、
  向こうが示談で1000万円払えっていうんだ。
  すぐに今からいう口座に振り込んでくれないかな。
  すぐだよ、すぐ。あ、アニョハセヨー」
 
 
驚いたオバさんは、すぐに
チワワの消費者金融で金を借り、
郵便局で言われたとおり1000万円を振り込んだそうな…。
 
それを見てがく然としたオジさんは、
涙がこぼれないように背筋を伸ばして
夜道をひたすら歩き、歩き、歩き、
気がつけば「デューク」という名で
ウォーキングのカリスマになっていたんだと。
 
めでたし、めでたし。