No.2895 批判とジェラシーの心理

昨日、
沖縄に住んでいる知り合いから
電話があった。

話したのは5年ぶりだっただろうか。
それなのに、それほど久しぶりという感じが
しないのが不思議だった。

僕よりも年齢がひとまわり以上も上であるその人は、
50歳を過ぎて、
すべてをリセットして沖縄へ向かった。
仕事も地位も、家庭もすべて。

当然、それにあたっては
周りからは批判の声もあった。
「いい歳なのに常識がない」とか。

みんなの手前もあって
大きな声では言えなかったけど、
僕は心の中でこっそり拍手を送っていた。
むしろ、「偉いなぁ」と。

あれから数年ぶりの会話。
電話を通して聞こえてくる声は、
とても明るく元気そうだった。

世間の中で生きながらも、
時々、「世間体って何だろう?」と思う。

みんながそれぞれに我慢することで
絶妙のバランスで成り立っている社会での、役割?
それを壊すと、この世のバランスが壊れて
みんなが迷惑するから文句を言うの?

なんとなく違う気がする。
結局、文句を言う人の本心にあるのは
“嫉妬”なんだろう。

本当は自由になりたくても、
その勇気が持てない自分自身に対する苛立ち。

「常識がない」という批判の正体は、
常識に縛られて動けなくなってしまった
自分への憤りなんだと思う。

沖縄へ行った知り合いに対して、
僕にも嫉妬の気持ちがないわけではない。

でも、それはやっぱり
立ち止まっている自分への苛立ちであって、
まぁ、単にうらやましいだけなんだな。

嫉妬されるぐらい、
自由に生きていきたいぜ。