No.2137 独創的な絵

「独創的」という言葉を初めて知ったのは、
小学校を卒業する時。

先生が最後の通信簿に書いてくれたコメントの中に、
達筆な字でその言葉があった。

  図工…4 
  独創的な絵を描きますね。その感性を大切に。

辞書を引いて独創的の意味は理解したものの、
最初は誉められているのか、けなされているのか、
よく分からなかった。

「絵が上手ではない」とも言われてないけど、
「下手だ」とも言われていないし。
通信簿の評価って「できる」「できない」の
2つしかないと思っていたから。

ずっとモヤモヤしたまま中学に進学し、
いつのまにか「図工」の時間は
「美術」という名の授業に変わった。

定規を使って立体的に見せるグラフィックについて
習った時のことだったと思う。
教えられた技法を使って、
僕は自分なりの作品を仕上げた。

右奥には晴れた地球の空。
そこから中央手前にトンネルがつながっていて、
ターンして左奥の宇宙空間へ。

地球の青空と宇宙の闇がつながっていることを
表現したかったんだと思う。
そんな僕の作品を見て
美術の先生がまた同じことを言った。

 「ほぉ、線の引き方はかなり粗いけど、独創的やな」

先生が笑っていたせいもあったかもしれない。
その瞬間、独創的という言葉が
なんだかカッチョいい言葉に聞こえた。

決められたジャンルの中で最下位になるくらいなら、
「個性」というジャンルの中で輝くほうがいい。

今は、周りに振り回されずに
我が道を行くことを美学としている自分がいる。