No.476 数学で見る親の存在
両親が27歳の時、僕は生まれた。
1年後、1歳の誕生日を迎えた。
親は28歳。
僕はまだ、親の人生の「28分の1」しか生きていなかった。
26歳になった。
親は53歳。
不思議なことに、いつのまにか僕は
親の人生の「半分」近くを生きていた。
僕が歳を一つ重ねるたびに、親もまた歳を一つ重ねる。
絶対に縮まらないと思っていた“27年”の差。
縮まっていく気がするのは、なぜだろう。
冷静に計算すれば分かることなのかもしれない。
けれど感じずにはいられない、不思議なロジック。
50歳になったら、
親は77歳。
僕は親の「約3分の2」の時間を生きてしまう。
1000歳になったら、
親は1027歳。
僕は親の「10分の9」以上の時間を生きてしまうだろう。
月日が経つごとに、大きくなる気がする。
でも、いくら僕が親に近づいた気がしようが、
親の人生を追い越すことは出来ない。
数学や言葉では語れない、大きな存在。
親とはきっと、そういうものなんだろう。