No.907 “光”も“影”も愛せますか

いい天気。
やわらかな日射しが窓から差しこみ、
窓際に置いてある紅茶のカップのそばに
うっすらと影ができている。

影は嘘をつかない。
日射しがあたった物の輪郭どおりに、
その形を模倣する。

ちょっとしたいたずら心で、
ブラインドを下ろして光を遮ってみる。
すると、影も一緒に姿を消した。

光と影は、相反するものではなく、
一心同体のもんなんだ。

時々、思うことがある。
自分の中にも、光と影があると。
おはなしを書いたりみんなと遊んでいる時の自分は光で、
毎日せっせと働いている時の自分は影。
そう感じる時もある。

けれど、それらは一つの心のもと、
支えあっているものなんだ。
どちらかが欠けても、僕は僕でなくなる気がする。

光と影。
どちらも愛することができたら、いいな。

  The secret of life is not to do what you like,
  but to like what you do.

「いい人生を送るコツは、
 好きなことをすることじゃなく、することを好きになること」。
アメリカのことわざだ。

僕の辞書には、
明日のために今日をがまんするなんて項目はない。

毎日先のことばかり考えてたら、
空っぽの毎日が積み重なるだけ。

すべての瞬間がプレシャスで、
そのすべてが宝物になるように。

そう思うだけで、不思議と色んなものが見えてくる。
僕流の、楽しい生き方だ。