No.1831 キンモクセイの香り

キンモクセイは不思議な花だ。

姿を見つけるよりも先に、
数m離れた場所からでも香りが漂ってくる。

花が小さいから、
香りだけ頼りに姿を探しても
たまに見つからない時もあるし。
花言葉が「謙遜」なのも、なんだかわかる。

そういえば、
僕の実家の庭にもキンモクセイがあった。

家の前が集団登校の待ち合わせ場所だったこともあり、
花が咲く時期になると友だちがみんな家の前に来て
香りを嗅いでいたっけ。

あの香りは、
なぜか人をひきつけるのだ。

季節のせいもあると思う。
秋は草花がだんだん落ち着き、少し寂しくなるのに、
キンモクセイだけは甘い香りを漂わせて咲くからね。

ちなみに、キンモクセイには
「初恋」という花言葉もあるらしい。

初恋の甘さを思い出したいけれど、
トイレの芳香剤しか思い出せないのが残念だ。