No.4625 親ガチャ

子どもは親を選べない。

今風に言うと、
「親ガチャ」って言うのかな。

子どもにとっては、
最初に見上げた人間が親なんだ。
それが良い悪いなんて分からない。

だって、親は親なんだから。
善し悪しは別として。

年頃の男女が子どもを作るのは、
簡単そうで、本当は難しいけれど、
何も考えなくても性欲任せで
運がいい人には簡単にできてしまう。

子を作ることと親になることは、
ちょっと違うんだな。

昨日の夜、21時頃、
自宅の方へ続く夜道を歩いていたら、
2歳ぐらいの女の子を連れて歩く
夫婦とすれ違った。

幼児はもう寝る時間だろうに、
どこへ行くんだろう?
そう思いながら家族の会話に耳を澄ませた。

静まり返った夜道だから、
離れていてもよく聞こえた。
 
 
 
 「パ~パー、マ~マー、
  どこにいくのぉ~?」
 
 
    「パチンコ」
 
 
 「ぱちんこ~?
  ぱちんこ、なにするのぉ~?」
 
 
      「遊ぶねん」
 
 
 「あそぶの~?あそぶ~!」
 
 
 
僕は少し、胸が苦しくなった。

よその家庭の話だから
口出しはしないけれど、
何も知らないあの子に選ぶ権利はない。
それが不憫に感じた。

家族は駅前の明るい方に消えて行った。
僕は、自宅のある暗い方へ黙って歩いた。

家に着くと、娘は修学旅行でいなかった。
生まれてから、こんなに娘と離れて
過ごす夜は初めてだった。
むしょうに会いたくなった。

息子はいつもどおり、
サッカーの動画ばかり観ていた。

うちの子たちは、僕の子で幸せだろうか?
今まで考えたこともなかったけど、
ふと、そんなことを思った。

僕はちゃんと、親になれているのかな?

あまり自信はないから、色んなことを教えて、
自分で選べる人生を与えてやりたいと思う。